ということをしみじみと思ったことがあった。
というのは、ワシはある趣味的な団体(けっしてあやしいものではない)に属しているのであるが、そこへ、毎年、かなりの年齢の方が入会してくる。
かなりとはどのくらいかというと、まあ60歳前後。今時、かなりの年齢と言えば80歳くらいになるのかもしれないが、体力勝負のようなところもある会なので。
それで、入ってくる動機が問題なのである。どうせ、人間の集まりだからいろいろなヤツもいるし、行事やら大会やらが巡ってくるし、組織であるから役割分担もせねばならぬ。
つまりは人間社会の縮図である。だから、揉め事もおこるし、気のあわないヤツの一人や二人必ず居る。向こうだって、なんだいい年しやがって、いまから始めるのかよ、なら初年兵に俺が教えてやる、みたいな事だって出てくる。これ、当たり前の話。ニンゲンだもの。
そこで、そのごちゃごちゃに目を奪われて、入会した時の初々しい気持ち、まもなく吹っ飛ぶ。なんだい、こんな会、辞めてやらぁ、になる。
ところが、若ければやり直しはきく。他の会に入ることはいくらでもできる。だが、この年になってまた新たな居場所見つけるのは、容易じゃないのだ。
たまに元気な人もいるが、大抵は、もういいや、になっちまう。「老人の閉じこもり」現象になるか、またはそれまでやっていた第二の趣味的なものに傾く。
というわけで、選択肢はぐっと限られてしまうのである。つまり体力気力と、将来に時間がないということに起因するのである。
ではこういう組織の中でのごちゃごちゃに巻き込まれても何とかその会の中で息をつくにはどうしたらよいか、である。
これは、ワシに限っていいえば、その会に入った目的のうち、自分はこれでいく、という目標を一つでいいから持って置くということである。
絵のサークルだったら、いつかは展覧会に出してやる、とか頭の中にひそかにある絵が描きたい、とか、静かに画布に向かえればいい、とかともかく絵の具で絵を描いていればよいとか、こんなのだっていい、「時間つぶし」。
なにかにターゲットを決めておく。そのほかのことはどうせ趣味の会。ニンゲンだもの、と割り切る。人間関係のごちゃごちゃがあっても、自分だけの目標しっかり思い出して、それに向かっていく。目標以外は適当にあしらっておく。組織からはじき出されない程度に、だ。そういう風にしている。ただしワシの場合は、だ。
何人か、辞めそうになったときにサインを出されたことがある。その時はなんで、急にこんなことするのかな程度にしかわからないのだが、いきなりこれまでありがとう、わたしは会を辞めます、みたいなことを言ってくる。ああそうか、あのときが辞めたかった時なのか、と気づく。そんなことがあって、そのあと会を辞めていったかなりの年齢の人を、何人も知っている。ヘルプだったのだ。ワシには引き止められなかったわけだ。
やはり、残念である。そうして辞めていった人たちは一様に、あまり世間ずれしていないと言うか、ナーバスというか、純というか、周囲のごちゃごちゃに巻き込まれてしまうタイプだった。だからよけいに残念なのである。そういう人こそ残って欲しいのである。
どうせ人間関係など、アホなもので、しばらくすれば、アハハで済むことがほとんどなのだが、思い詰めてしまうのだなあ。だからこそその会で何を求めているのかを、常に鮮明にしておかないと、足元すくわれて転んでしまう。
冷静な時にはこんなえらそうなこと言っちゃって・・・・。ワシかてどうなるかワカランが。
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