騙されるなよ、人生後半
家にいると、電話がかかってくる。一戸建てマンション買わないか、墓は要らないか、ゴールドの先物取引はどうだ、そして、出版しないか。昨日掛かってきた電話は、光フレッツにしないか。(プリントしたものを見せてくれ、それで他社と比較するから、といったらファックスで送られてきたが、字が細かくて見えない)
ともかく、ワシらは狙われているなあ。振り込め詐欺まがいの電話もかかってきたことがある。大抵は子どもを餌に使ってくる。
親は子どもに弱いから、ついふらふらと可哀相になって振り込んじまう。もう家から出た子どもなんぞいわゆるガキじゃないんだから、どんな人生送ろうと勝手。早い話が野垂れ死にしようと逆に億万長者になろうと構うことじゃないのに、世間の親は哀れなり。
そこに付け込むという、なんともいやらしい犯罪。むろんワシは引っ掛からないが。
騙されまいという構えで老年、送るとはまことにヒドイ世の中になっちまったもんだ。
先日、趣味の会の用事で、何人かの家に電話しなければならなくなり、電話したところ、かなり防衛の構え、働いてきたなあと感じ入った。例えばー
電話すると、「・・・・」何も言わない。以前なら、「○○です」と電話口ですぐに応えてくれたものだが。
それでワシの方から「あのう、○○さんのお宅でしょうか」と確認する。すると、まことに不興な声色で「そうだけど、アンタ誰?」とつっけんどんな返事。
それでまた「あのう□□会の△△と申しますが、○○○子さん、いらっしゃいますか」と言わざるを得ない。またしても暗く低い不興げな声で、かなり年輩と思われる亭主の声。
「いるけど、何の用?」とこのへんでワシは、ハハア、こっちを疑っているな、と感づく。
「実はナニナニのことで・・・・」と用事を告げる。「あ、そう。もう一度おたく、名前言って」とまだ疑いは晴れていない声。そうして、電話持ったまま(と思われる)「おーい、△△と言う人、知っているか」と聞こえよがしに叫ぶ。
ワシはもうこの辺で嫌気がさす。なんだよこのオヤジ!!せっかく会の大事な用事、伝えてやろうとして嫌々ながら電話しているのによ。ッタク!!とむかむかするうちに、当の会員がやっと電話口に出る。
もうこんなふうな老人家庭が増えてきているなあ。しょうがないんだろうなあ。ッタク・・・・。
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