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年寄りの一人暮らし

は、たいへんだ・・・というのは本当だろうか。

ここのところわけあって、独りで暮らしているが、たしかに初めのうちは、いろいろと困る。

まず困るのは、食べ物だ。朝起きて、さあドウスル?となる。腹は減る。何か食わねば、と焦る。冷蔵庫を開ける。ところがこの冷蔵庫なるもの、なぜかすぐに食べられるものが入っていない。

ピーマンなど生でかじるわけにはいかない。せいぜい牛乳ぐらいなもの。

そこで、この苦境を乗り切るには、ワシは、同じメニューに固定する。パンを買ってきて(近くにコンビニがあるはずだ)バターつけて、パックの紅茶飲んで(湯は沸かせるじゃろう)できればレタスとハム(これはスーパーにいけばよい。スーパーに行くとご同輩がごろごろしておる)。これで朝はオーケーである。

まもなく昼になる。昼になるのが早いなあ。昼は今時分は冷麦か、つけ麺、または冷やし中華に決めておく。トマトなぞ一つつければそれでもうよし。麺の上にチャーシュー切って乗せれば、御の字。

さて、早くも夕方だ。早いなあ、晩飯が。晩はご飯にする。ご飯だって、電気がまに、2,3合炊いて置けばよい。ご飯は必需品だ。いかなる時にも、飯だけあれば、あとはなんとでもなる。梅干だって、それも無ければ塩だってけっこう食える。

レトルトが便利だなあ。昔のカレーなどと違って、今はうまいぜ。それになんでもいい、肉と玉葱でも炒めて置いてそれをルーに混ぜればかなりいいカレーライスになる。レトルトを、何種類か買っておく。これで1週間や10日は生きていける。

スーパーに行くと面白いで。若い主婦やら、オヤジやら、たくさんいて見るだけでも飽きないなあ。一度行くともう抵抗無くスーパーに行ける。同年輩のジジイの買うもの、それとなく観察するのも面白い。ヤツは、今日、しめ鯖で一杯か、クソッ。けっこういい酒買いやがって・・・・。

さて、それから面倒くさいのが、洗濯だろう。しかしこれとて、洗い槽に放り込んでおいて、たまった時に、タイマー掛けておいてガラガラやっておけば、朝には、絞れている。干すのが面倒くさいが、洗濯バサミのついた干し器があるが、それにどんどん吊るしておく。出かけるときや、雨の時には取り込んでおく。それも面倒くさければ、家の中の階段やら手すりやら、イスの背などに引っ掛けておくだけでもよい。(家が広いので、大丈夫?)

洗濯物は、干したものを、洗ったものと交代して着る、というのがコツである。新しいものをわざわざ押入れなどから引き出してはいけない。洗う手間がかかるじゃろう。

次に、掃除だろう。これはもう簡単。ごみはおなじゴミ箱しか使わないようにし、掃除機でさっとやっておく。どうせ独りだからそんなにごみなど出やしない。鼻たらしのテイッシュぐらいのもの。

これを毎日のルーテインとして、こなしてゆく。すると、何だいこんなものかい、一人暮らしは。チョロイじゃん、になっていく。こうなるとかなり「ジジイ独り暮らしの達人」に近くなっている証拠である。

こうなると、料理本のレシピなど見るようになっていく。前から食ってみたかったんじゃ、自分で作った散らし寿司・・・みたいになっていく。これを自分でやっつけてやろう、となると、これはもう「独り暮らし老人の明るい生き方」という本が書ける段階まできているといってよい。

ところで、こういう生活するうちに、なんだかものすごく自由になった気がする時期が来る。いいぞいいぞ、ひとり暮らし!!の新天地が開ける。パッと目の前が開けるのである。

たとえば、いつもうるさく言われていた缶ビール1本、が時々飲める。(毎日ではカネが続かない、年金であるから)好きなテレビ番組が見放題の世界が開ける。おおっ!!な、なんと阪神が強いなあ、いけいけ。言いつつ缶ビール、グビッが、な、なんとできるのである。

出かけるにも、「その格好じゃ、ご近所に恥ずかしい」などといわれずに、短パンに、ヨレヨレの大好きなテーシャツ、着られるのだ。

ただ、以外に困るのが、ゴミだし。日にちが決まっておる。とんでもない日に、生ゴミなど出せば、カラスの笑いものになる。

それと、税金などの督促。どこへ払い込みに行けばいいのか、わからない。そういうときには、よくよく督促状を見直すことだ。払い込むところや、振込みなど書いてある。一度そのやり方を知れば後は、もうどんどん督促して来い、の納税者の鑑となる。

これで、年寄りの一人暮らしはほぼ、完璧であろう。

不思議なことに、独り暮らしすると、ワシの貴重な体験では、酒も飲まなくなるし、ものすごく経済に気を使う。ケチになる。これは生体保護のための自然防衛であろう。呑んだくれたら誰も助けてくれない。カネが無くなれば、これはもう悲惨だ。働いてない。ただ年金だけである。貯金通帳、見る必要も無い。

だから、賞味期限の過ぎた半額のパン、きのう買ってきた。カビさえ生えていなければ、食えるぜ。トースターで焼いちまう。

猫の額の畑から取った、トマト一日一個ずつ。胡瓜一本ずつ。これだけだってけっこうイケルのだ。胡瓜はぬかづけにしておく。これだけでも、一食は非常食として、食えるのである。大震災を思えばよい。たいていのことは、耐えられる。

というわけで、ワシは、当分、この独居老人暮らしを、こそこそとやって行く。だんだん、こっちの方がよくなっていくのがわかる。いいぜ、独り暮らし・・・・。禅僧の修行といったら叱られるか。

人間、環境に適応する能力はあらゆる動物の中で最高であろうなあ。

しかし、暑いなあ。でも冷房はできるだけ使わんよ。熱中症になりかかるまで。ジジイは強いなあ。さて、ちょこっと遊びに行こうっと。それは、ナイショ。フフフ。

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